儒灯

【温故知新】儒学の普及に力を注いでおります真儒協会 会長、高根秀人年の個人ブログです

水【坎】 に想う  (その3)

(こちらは、前のブログ記事の続きです。)

《 トピックス〔時事(2011:春)〕 ── 水 【坎】に想う(2012記) 》 

平成23(‘11)年の日本は、一般ピープルも「水」について
認識を改めさせられた(思い知らされた)年の一つではないでしょうか。

春(3.11)に、死者・行方不明者2万人余りともいわれる“東日本大震災”による災禍。
もっぱら「津波」による水害でした。

一年を経ても、復興は一向に進んでおらずガレキは山積みのまま、
再生はおぼつか無い有様です。

それに付随して、福島第一原子力発電所による事故・放射能汚染。
その直接の原因は、5mを限度水位と想定していたところに10mの津波が襲ってきたということです。
震源近くでは、15mほどであったと言います。) 

太古の昔、“石のカケラ”(=隕石)が地球に衝突し
恐竜の天下を吾々の祖先とチェンジさせた時の津波は、300mほどとも言われています。

それはともかくとしても、例えば “明治三陸地震”(1896.6.15)では、
(揺れは最大震度4程度だったとされますが、)巨大な津波を引き起こし、
三陸沿岸を最大 38.2 メートルにも達する津波が襲ったとされます。

三陸では、1993年にも“昭和三陸地震”の津波に襲われ千人以上の人命が失われています。

してみると、明らかに今回の福島第一原発事故は、5mの限度水位想定に始まる、
杜撰〔ずさん〕・ナンセンスな安全基準・管理による人災です。

そして、原発の事故処理も一向に進んでいません。

原発の将来像についても(安全保障をはじめ、他の国家的大事と同様に)、
為政者(=政治的指導者)は無策・無計、なんらビジョンがありません。

本〔もと〕立たずして、末〔すえ〕が治まるはずがありません。

非常時、事が大きくなればなるほどリーダの真価が顕〔あら〕われるものです。

泰平に安座・弛緩〔平和ボケ〕したわが国で、
漸〔ようや〕く指導者の資質が問題になりかけてきました。

国民主権”のもと、有権者たる国民自身の“責任”を想わざるをえません。

ここで、原発原発事故を、易学的な視点で捉えてみましょう。

原発は、「核」(=太陽)で、火・文明の利器ですから【離】〔り〕です。

【離】の火=核=太陽 を制御し正しく“中和”〔ちゅうわ〕させるのが、
水(メルトダウン炉心溶融〕を防ぐ冷却水)の【坎】〔かん〕です。

今回は、人間の“賢〔さか〕しい愚かさ”から、
【坎】の水が制御〔コントロール〕するものであると同時に
津波という)破壊するものとなってしまいました。

五行思想”・相生相剋〔そうしょうそうこく〕論にいう “水剋火” になってしまいました。

火・【離】と水【坎】は、本来矛盾・対立するものですが、
正しく“中 〔=止揚揚棄アウフヘーベン:Aufheben〕”・“中和”して、
(水と火でご飯・料理ができるように) 「発電」 というものが得られるわけです。
  注2) 

それが、人間の驕〔おご〕りと水の認識忘却により、
【離】(文化文明)が、賁〔かざ〕るものでなく傷〔やぶ〕るものとなりました。

このことは、太古から「老子」によって説かれていることです。

そして次に、震災から半年、
秋9月には、ノロノロ台風(15号)日本列島縦断。
その暴風雨による被災がありました。

尤〔もっと〕も、地震津波にしろ台風による暴風雨にしろ、
ごくあたりまえの大昔からの天地自然の変化・循環の現象です。

それに対する畏敬の念を忘れ、対策の工夫よろしきを、
嘲笑〔あざわら〕うが如き傲慢〔ごうまん〕さをもって忘れていた報いです。

あらためて、日本人への天(=神)からの警鐘〔けいしょう〕と受け止めるべきです。 

── その天の警鐘を、天意を汲み取る心ある賢人が、
天意・神意に代わって警鐘を鳴らすことを、
(“賢〔さか〕しく詭弁を弄〔もてあそ〕ぶ佞人〔ねいじん〕たち”に) 
咎〔とが〕めだてされる道理がどこにあるのでしょうか? 

私は、それを深く想います。


注2) 
易経』・「説卦傳」(先天八卦図説明)に、
「天地位を定め、山沢気を通じ、雷風相い薄(せま)り、
水火相い射(いと)わずして八卦相い錯(まじ)わる。」 とあります。


《 易(象) と 水 》

宇宙・世界のシンボル化された縮図としての八卦の象意〔しょうい〕を想う時、
殊に 水【坎☵/大成卦・重卦=坎為水 ☵☵】 
そのペア(陰陽逆の関係)としての 火【離☲/大成卦・重卦=離為火 ☲☲】 には、
先哲の深い叡智〔えいち〕と感性を想います。

「易」は、“変化”の意であり“変化の学”です。

その変化するものの代表的象〔しょう/かたち〕が水です・・・


※ この続きは、次の記事に掲載いたします。


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